2022.02.05 / UOZU
1950年代にル・コルビジェが携わった、
インドの都市シャンディガールの“都市計画”を着想源に。
同じく50年代のメンフィスを舞台にした3つの物語が交差する映画
“MYSTERY TRAIN”がテーマとなっている。
アメリカのメンフィスといえば、
伝説のミュージシャン、エルヴィスプレスリーを生み出した
ロックンロールの街。
プレスリーに憧れる一組の男女が様々な出来事や事件に巻き込まれる話。
人間味溢れる2人のキャラクターはメンフィスの街や人の中では浮いている印象でした。
2人のようなパンキッシュな身なりの人物はいないし、情緒的な言動にも生じるズレを表現。
若干、今のファッションに足りない事と被る。
2人の憧れの地に彼らなりに合わせ、楽しんでいることに邪念がない。
コルビジェが得意とするコンクリート造形の無機質な冷たさと、
MYSTERY TRAINの人間味溢れる二面性を
YUKI HASHIMOTOのエッジの効いた世界観でデザインした。
MYSTERY TRAINという題名だが、
この映画の交わる3つの物語の共通項は電車ではなく音である。
3つの物語の中で同じ時に流れるプレスリーの「ブルー・ムーン」の歌声や、
事件の銃声など、顔を合わせることなく音・音楽で繋ぎ合わさる仕組みである。
作り込まれた洋服から、音楽や映画など全く別の角度の分野の世界や
知識を得ることは非常に面白くとても重要なことだと思います。
さらにそれは偶然ではなく、デザイナーの意思によって洋服の中に溶けて混ざり、
多くを言葉で説明しなくても物の見方が純粋な人にはそのかっこよさが伝わっている。
デザイナーの思いによる純粋なかっこよさで選ぶことで、自然と文化と繋がることができる。
タイトルのトレインに注目する。
人生が旅だとして、列車をイメージしてみると、
列車は終点までたどり着くとまた線路を辿って出発点に戻る。
環状線だとしても、ぐるぐると周り同じところに戻ることもある。
ファッションも似ているものがある。
今から20年前の古着の盛り上がりやパンツの形が今にアップデートされて
新しい世代に受け入れられている。
見方によっては既視感で古臭く感じるが、新しく感じる人もいるということだと思う。
常に新しいことを求め、前回よりも構築的になっているから共感を得られる。
ファッションと人生はかなり密接で大切なものだと僕は思います。
長きに渡っている世界的なパンデミックより抑制されることが多くなっているが、
新しい未来のために今の現状から突き動かすための準備期間と思うと気持ちも違ってくる。
自分の感情的な部分を解放して、ファッションで今を明るく楽しみましょう。